椎名林檎の発声
椎名林檎の特徴
- 鋭い声&ほんのりハスキー
- 劇場型唱法
- ピリッとしたノイズ
鋭い声&ほんのりハスキー
基本的な声の印象としては、野太くゴツイ声というよりはナイフのような鋭い声です(個人的に)
このことから喉仏は下げずに、上げ気味にしましょう。
また、少々ハスキーさを帯びた声であることと、語尾で声や息が溢れている様子がうかがえるので、声帯を閉め気味にし、呼気を多めに吐いているかと思われます。
劇場型唱法
姐さんといえば、時に少女に時に娼婦に、時に強い女に時に弱い女に、などなど一曲の中で様々なキャラクターを憑依させたり、ストーリーを表現する歌い方のように思います。
まるで一つの劇を演じているかのように。
「罪と罰」の歌いだしで言えば、
- 「頬を刺す朝の山手通り」→力尽きそうになりながらも振り絞り
- 「煙草の空き箱を捨てる」→弱々しく消え入りそうに
- 「今日も又足の踏場は無い」→力強く
- 「不穏な悲鳴を愛さないで」→しっとりと落ち着きながら
のような感じに一曲の中で、一節の中で声色や歌い方が細かく変化しています。
それら変化を大げさにメリハリを効かせる歌い方が、姐さん感を出すポイントです。
発声の傾向としては、
弱々しい歌い方の場合
- 喉仏が上がり気味
- 声帯が開き気味
- 仮声帯が開き気味
- 声が息っぽい
強々しい(なんて単語無いだろうけど)歌い方の場合
- 声帯が閉じ気味
- 仮声帯が閉じ気味
- ちょいちょい音の入りに瞬音の裏声を挟む
- ちょいちょいヒーカップ
- ちょいちょいフォール
のようであると思いますので、よければ参考にしてください。
もし体を動かせる環境であれば、体も使って表現できるとなおのことよいです。
体を使うことで声色にも良い作用が働きます。
ピリッとしたノイズ
「必要なのは是だけ認めて」や「味はふ如く季節を呼び起こす」や「一番愛しい貴方の声迄」などで、ほんの少しだけですがピリッとしたノイズが鳴っています。
こうしたピリッとノイズは仮声帯が(通常の状態と相対的にみて特に)閉まると発生します。
姐さんの場合は基本的に喉仏上がり気味で声帯閉まり気味なので、仮声帯も基本的に閉まり気味のように見受けられます(喉仏が上がると声帯が閉まりやすくなり、声帯が閉まると隣接する仮声帯も声帯に釣られて閉まりやすくなります)
このような状態なので、仮声帯をピンポイントで閉めてノイズを出すというよりは、喉全体を絞ることで仮声帯も閉まり、結果としてノイズが鳴っていると思われます。
そのためかノイズが鳴る箇所では、より喉仏が上がりより声帯が閉まるためか、声が比較的細めになっているように聴こえます。
まとめ
- 基本喉仏上げ気味&声帯閉じ気味&呼気多め
- 曲や歌詞を演じる
- 喉全体を軽く絞りノイズを出す