ムッシュ吉崎の発声
ムッシュ吉崎の特徴
- 江戸っ子唱法
- ムッシュシャウト
江戸っ子唱法
なんとなく「てやんでぇ、べらんめぇ」口調な節回しではないでしょうか。
江戸っ子のような。
「どげんしたとね Baby!」はそうでもないですが、「大都会」を聴くと江戸っ子さがより分かるかと思います。
ムッシュ兄さんは山口県出身なんですけどね。
江戸っ子唱法と言っても曖昧ですね。
具体的に言えば、
ら行は舌を巻き気味
- Aメロ「電話ばしても奴が 出てくれんと言う理由何ね?」
- 田中さんパート前「俺は君ば好いとる」
辺りは舌を巻いています。
ただし「理由ば聞いみちゃるけん」は巻いていないので、なんでもかんでも巻いていないようです。
あくまで巻き”気味”で。
フレージングにメリハリを効かせる
基本的に語頭が強く語尾は弱く、といったフレージングかと思います。
- 「どげんしたとね?泣ーきよっと?」
- 「理由ば話してみーんしゃい」
- 「出てくれんと言うわけ何ね?」
こんな感じで抑揚にメリハリを付けると良きです。
また、「電話ばしても奴が」に見られるように、「ば」でがなり、「奴が」で喉仏を上げて軽いトーンにする、といった声量差を付ける以外のメリハリの効かせ方もされています。
シンプルに言えば「時に強く、時に優しく」、そんなニュアンスを付けを意識しましょう。
語尾を放り投げがち
- 「理由ば話してみんしゃい」
- 「出てくれんと言う理由何ね?」
- 「理由ば聞いてみちゃるけんぬぁ」
などのように語尾の音程を下げていき、まるで放り投げるような処理をされています。
いわゆるフォールというやつですね。
こうすることで歌に”語り感”や”喋り感”が出ます。
”語り感”や”喋り感”を出すことも、江戸っ子的な香りを出す要素かと思います。
ノイズの使用
- 「理由ば話してみんしゃい」
- 「そいぎ俺が電話ばして」
- 「俺は君ば好いとる」
- 「すべてばまかしとかんね」
上記のところではジリジリ、ザラザラ、サラサラとしたノイズが鳴っています。
こうしたジリザラサラ感は、仮声帯を閉めることで得ることができます。
前述したフレージングのメリハリ付けに活用しましょう。
並びにノイズを鳴らすことで、大雑把で気性が荒い江戸っ子さが演出できます。
こじつけですね(笑)
とはいえノイズは古くから芸能の分野で使用されてきたようです。
東の芸能が最も大衆化された時期と場所が江戸時代の江戸でしょうから、「声にノイズを乗せると江戸っ子感が出る」というのはあながち遠くはないです。
と、決して自信を持って大きな声では言えませんが、そのようにほんのりと思います。
ムッシュシャウト
冒頭で「ッヘェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ィエ!!!」と、ものすごいシャウトをかましています。
このムッシュシャウトですが、
- 声帯を軽く閉じる
- 仮声帯をそこそこ閉じる
- 喉仏を少し下げる
上記状態で勢いよく裏声を出すと発声できます。
「喉仏を少し下げる」については「真ん中より下の位置になるように、太いシャウトを作るために」というよりは、喉仏の上がり過ぎ防止です。
試しに喉仏をギュンギュンに上げた状態でムッシュシャウトを敢行してみてください。
ムッシュ兄さんのシャウトに比べて声が幾分か細くなる上に、喉が痛くなるかと思います。
なので少しだけ喉仏を下げるようにして、喉仏の極端の上昇を抑えましょう。
また、最後のシャウトは冒頭のシャウトとは違い、裏声にがなりを足したシャウトかと思われます。
ムッシュシャウト2ndですね。
まとめ
- ら行は概ね舌を巻く
- 「時に強く、時に優しく」を心掛ける
- 適宜フォールする
- 仮声帯を閉めてノイズを混ぜる
- 声帯軽く閉め+仮声帯そこそこ閉め+喉仏ちょい下げ+勢いよく裏声→ムッシュシャウト1st
- 裏声+がなり→ムッシュシャウト2nd