デーモン閣下(後期)の発声
デーモン閣下の発声は時期によって大きく異なるので、3つに分けて分析します。
初期(1986年前後)=生まれたての悪魔のような声
中期(1990年前後)=めっちゃ悪魔のような声
後期(1996年以降)=角が取れた悪魔のような声
今回は後期の角が取れた悪魔のような声を分析します。
デーモン閣下(後期)の特徴
- 角が取れた悪魔のような声
- しゃくりの多用
- 部分的に子音が弱め
角が取れた悪魔のような声
初期・中期のようなノイジーさが無くなり洗練された雰囲気になりましたね。
ロウラリを意識して高音を堪えていた中期に比べて、後期はふんばらず投げるように発声しています。
なので喉仏は下げずに上がっちまうなら上がっちまえ、ぐらいの心持ちで良いです。
ただしワンポイントの高音はロウラリを意識していそうです。
サビ終わりの「夢にまで見た」など。
声帯は開けっ広げてはいませんが、かといって特段閉鎖をしているようにも見受けられません。
基本的に喉仏も声帯も無理にコントロールしない、という意識にしましょう。
しゃくりの多用
しゃくりとは出したい音程の前に、下の音程から駆け上がり目的の音程に繋げるテクニックです。
- 「あらわれ出ずる見えるはずない大地 妖しくよこたわる」
- 「あかねさす」
該当箇所を挙げるとキリがありませんが、冒頭の方では上記の点が分かりやすいです。
しゃくりが難しい、という場合はテンポをゆっくりにして練習してみましょう。
また、全体の印象としてねっとりした歌い方に感じられます。
しゃくりを挟んでいけば、ねっとり感が出るかと思われます。
部分的に子音が弱め
『R』の発音が弱めな気がします。
- 「まばゆきひかりの中 現れ出る」
- 「見えるはずない大地」
- 「こもれび日のれつ」
- 「手招いているような」
など。
『R』は普通に発音すると上あごのあたりに舌がくっつきますが、閣下の場合上の前歯の裏あたりに舌をくっつけて発音しているように聴こえます。
そのため『R』の発音が浅くなり、弱く感じるのかなと思いました。
また、「あかねさす~」と高音が続くパートでは全体的に子音が弱くなりがちです。
さらに高音域になると母音も崩れる場合があります。
- 「静かに沈みゆく」
- 「再び浮かぶのはいつ」
など。
総括すると、全体的に口先あたりで発音し、口の形は『あ』や『お』などの口が大きくなる形を意識して、『い』や『う』などの口が狭くなる形は避けて発音しているように見受けられました。
並びに、口の形や発音する位置をできるだけ同じにすることで、声質や太さに差が出ないように意識しているかと思われます。
まとめ
- 喉仏も声帯も無理に操作しない
- 隙あらばしゃくらす
- 全体的に口の前の方で発音を作る