ロニー・ジェイムス・ディオの発声
ロニー・ジェイムズ・ディオの特徴
- 軽やか&パワフル
- 常に余裕がある
- ドラマティックな歌い方
軽やか&パワフル
重々しさや鈍さは無く、軽やかでありキレのある声じゃないでしょうか。
それでいて軽いとか薄いという印象ではなく、しっかりとパワフルで存在感のある声でもあると思います。
まさに”ロック界のゴッドファーザー”にふさわしい声です。
まず、喉仏をコントロールしないようにすることが大事です。
「声をパワフルに太く」と思って喉仏を下げると、声の抜けが悪くなったりもっさい声になってしまいます。
ディオ様はキーが高いので、喉仏をほったらかしにしておくと勝手に上がっていくかと思いますが、ほったらかしで大丈夫です。
また、結構口の中というか奥の方で響いているように聴こえます。
なので声は正面や斜め前に飛ばさず、口の奥や鼻の奥辺りに目掛けて声を出すと良きです。
あと全体を通して声にディストーションが掛かっているので、基本的に仮声帯に少し力を入れた状態にしましょう。
無理にノイズを鳴らそうとせず、「クリーントーンで歌ってるつもりだけど、音域が高いところで勝手にノイズが鳴っちゃう」ような状態がちょうど良いかと思います。
常に余裕がある
上記動画の「kill the king」はmid2G~hiA#辺りが連発する、男の換声点をいじめる非情な曲です。
さらに転調して最後はhiB~hiD地獄になります。
でも、歌うディオ様を観てみてください。
どこを切り取って観ても、どこか涼しい顔とねっとりした手の動きと、フフン♪とした笑顔をしていませんか。
普通これぐらいの音域になると、眉間にシワを寄せたり体や顔をブンブン動かして乗り切ろうとするものですが、ディオ様にはそのような様子が全く見られません。
なので決して振り絞ったり力任せに声を出さず、「こんな曲、余裕だぜ」という意識を持ちましょう。
もしリラックスした状態だと歌えない、というのであれば発声や歌い方を見直す必要があります。
ドラマティックな歌い方
スタッカートとレガートの対比、フェードアウトとブツ切りの使い分け、ダイナミクスのメリハリ、フェイクやフォールなどの装飾、力強く且つ滑らかなビブラートなどなど、書ききるのが大変なぐらい多彩な節回しが見られる歌い方かと思います。
まさにドラマティック。
こうした様々な表現手法を行うには、前述したリラックスした状態というものが欠かせませんし、何よりの前提条件かと思います。
この条件がクリアできないと、ダイナミックな歌い方は不可能と言えます。
声を出すだけで精一杯だと、細かいニュアンスを付けるどころではないでしょうから。
余裕のある状態ができたら、平たく言って一本調子にならないように心掛ければ良いでしょう。
まとめ
- 喉仏はほったらかし&口や鼻の奥で声を響かせる
- 低い音域から仮声帯に緊張感を持たせる
- できるだけリラックス
- 一本調子にならないように心掛ける