閉鼻声と開鼻声
鼻から声や息が抜けなさ過ぎる声を閉鼻声、抜け過ぎる声を開鼻声と言います。
それぞれ特徴的な性質を持っているので、声色を大きく変える際に役立ちます。
健康的な状態では自然に出てこない声ですが、工夫すれば発声できます。
ここではそれぞれの声の出し方を書いていきます。
閉鼻声
閉鼻声を使った歌声の例
良く言えば厚みのある声、悪く言えばフガフガした声ですね。
こうした声は閉鼻声である可能性が高いです。
閉鼻声の出し方
① がなり声を出す
がなり声の出し方については下記のページを参照してください。
②『がなり』を取る
「ア゛ーーーー」→「アーーーー」
ゴリゴリした『ア』から、『ナ』が混じったような『ア』になります。
ちなみにがっつり閉鼻させると、山寺宏一さんが演じるスティッチっぽい声になります。
開鼻声
開鼻声を使った歌声の例
冒頭を聴いてもらうと分かると思いますが、いわゆる鼻に掛かった声が開鼻声です。
ヴィジュアル系のボーカリストに多いイメージがあります。
開鼻声の出し方
①「こんにちは」と声に出す
こ・ん・に・ち・は。
② 各文字の前に『ん』を入れる
んこ・ん・んに・んち・んは。
③『ん』をできるだけ短くする
んこ・ん・んに・んち・んは。
③ の感覚で上記動画の雪の華を Gackt さんと一緒に歌ってみてください。
「んのんびんたんかーんげんおー」と。
恐らく近しい声になったのではないでしょうか。
慣れたら『ん』を付ける意識を捨てていきましょう。
いまいち開鼻声ができないと感じたら、下記動画の研ナオコさんの「なまたまご」の言い方を真似してみましょう。
研ナオコさんの「なまたまご」はとても開鼻声です。
ちなみに
開鼻声、閉鼻声それぞれができているかどうか確認するために、それぞれの声を出している最中に鼻をつまんでみましょう。
閉鼻声を出している最中に鼻をつまんでも声が変わらなかった場合は、閉鼻声ができていると言えます。
開鼻声を出している最中に鼻をつまんだとき、声が出なくなれば開鼻声ができていると言えます。
また、「閉鼻か開鼻」の二元論ではなく、鼻をつまんだ際に少しでも声質が変われば「少し鼻に声が行っていたんだな」と捉えることもできますし、逆に「あんまり変わらなかったから結構閉鼻できてたんだな」と捉えることもできます。
ちなみに ②
- 閉鼻声=フガフガした声
- 開鼻声=鼻に掛かった声
ではありません。
軟口蓋をそこそこ動かせるようになったら、フガフガした開鼻声も鼻に掛かった閉美声も発声することができます。
言い換えれば、フガフガしていない声を出しながら鼻をつまみ、声質に変化が無ければその声は閉鼻声と言えますし、鼻に掛かっていない声を出しながら鼻をつまみ、声が出なくなったらその声は開鼻声といえます。
そして、フガフガした閉美声とフガフガした開鼻声、鼻に掛かった開鼻声と鼻に掛かっていない開鼻声は、それぞれ聴き分けが難しいです。
ただし、がなり声からがなりを取った状態から鼻をつまんでも声質に変化が表れませんし、『ん』を挿んだ状態で鼻をつまむと声が出なくなります。
なので当サイトでは、
- フガフガした感じの声 → 閉美声
- 鼻に掛かった感じの声 → 開鼻声
と、便宜上表記しています。
まとめ
- がなり声からがなりを取る → 閉鼻声
- 発音したい言葉一文字ずつの前に短い『ん』を挿入 → 開鼻声