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エッジ・がなり・仮声帯

ノイジーなトーンは歌を演出する上で頻繁に使われます。

具体的に言えば悲壮感や色気、絶叫やパワフルさを表現する上で役に立ちます。

そしてポップスにはもちろんジャズやロック、ブルースやソウルなどあらゆるジャンルの曲で使用されています。

そうしたノイジーなトーンの種類や、どうやってその声を作るのかを述べます。

ノイジーなトーンの種類

  • エッジボイス
  • がなり声
  • 仮声帯声

エッジボイス

エッジボイスを使った歌声の例


語頭で頻繁に「ァ゛ア゛」や「ォ゛オ゛」とプチプチ鳴っている声です。

基本的に母音にエッジが付きます。

エロさや苦しみ、悲しみなどを演出する効果があります。

そのためスローテンポな曲やバラードに合いますね。

そのほかビジュアル系のボーカリストが多用している印象です。

エッジボイスの出し方

①軽く口を閉じて弱々しくハミングしながら、ゆっくりとできるだけ音程を下げていく

声量はできるだけ抑えて、呼気のスピードをゆっくりと。

②プチプチと音が鳴ったら口を開ける

「ン゛ーーーーー」→「ァ゛ーーーーー」

以上でエッジボイスが出せたかと思います。

声帯を緩く締め切った状態で、息が漏れた状態になるとプチプチが発生します。

このときの声帯の状態をドアで例えると、ドアが閉まった状態だけど指で押すと簡単に開くような状態です。

緩く締めているとはいえ声帯がかなり閉まった状態なので、出口が狭い=音量が稼げない点がデメリットでしょうか。

なので、ライブでドラムドコドコ、ベースブンブン、ギタージャカジャカ、シンセピロピロ鳴りまくった曲でエッジボイスを出しても、ほとんど聴こえません。

がなり声

がなり声を使った歌声の例


語頭(特にサビ)でたまに聴こえるゴリッとした声です。

がなり声を聴くとパワフルさを感じないでしょうか。

海外ではビヨンセさんやクリスティーナ・アギレラさんなどのディーバ系で、日本だと演歌で散見されます。

がなり声の出し方

①軽く口を閉じて「ンンッ」と咳払いをする

咳をしながら『ン』と発音しましょう。

②最初の「ン」を伸ばし語尾の「ンッ」を取る

「ン゛ーーーーーーーーーーー」

③口を開ける

「ア゛ーーーーーーーーーー」

以上です。

鼻の下でゴロゴロ鳴る感覚があるかと思います。

まるで水が無い状態でうがいをしている感じですね。

ここぞ!というところで一発かますとキマりますね。

ちなみにこのがなり声ができると、ニャンちゅうやクッキーモンスターのモノマネができるようになります。

仮声帯声

仮声帯声を使った歌声の例


歌いだしで聴こえるガラガラ、ガリガリした声です。

この声は、ダミ声、しゃがれ声、歪み声、ロック声、シャウト声、シャウトボイス、ディストーションボイスなどなど、色々な呼び方があるようです。

クリーントーンとは明らかに違いますね。

仮声帯を使った声は迫力が増すのでロックに向いています。

そのほか枯れた味わいが合う、ブルースやソウルなども相性が良いかと思います。

ちなみに、仮声帯の操作はシャウトやデスボイスでも活躍するので、仮声帯は汎用性の高い部位です。

ちなみにちなみに先のがなり声も(もしかするとエッジボイスも?)仮声帯を利用した発声かと思われます。

なので、がなり声も仮声帯声の一種と言えそうです。

仮声帯声の出し方

①軽く口を閉じて「ゥウンッ」と咳払いをする

咳をするだけでなく『ウ』を発音しましょう。

②最初の「ゥ」を伸ばし語尾の「ウンッ」を取る

「ゥ゛ーーーーーーーーーーー」

③口を開ける

「ア゛ーーーーーーーーーー」

④声帯を開く

声帯どころか喉全体を開けて、喉仏も抑えつけず解放し、もう「アホアホな顔になってもいいや」ぐらいのつもりで、できるだけリラックスしましょう。

恐らく声質も軽くなるかと思います。

以上で仮声帯声が発声できます。

喉の上、または鼻の下あたりを閉じている感覚があるかと思います。

クリーントーン→仮声帯声→クリーントーン→仮声帯声→…と切り替える練習をしましょう。


ちなみにあくまで私の感覚ですが、仮声帯声を出している時は下の画像の辺りがせばまる感覚があります。

喉の上の方または鼻のちょっと下とか鼻の後ろあたりです。


③の状態でもガラガラした声が出ますが、喉が痛くなっていまいます。

下の動画を見てください。


咳声は仮声帯を閉じるのに有効ですが、同時に声帯もびっちり閉じてしまいます。

声帯がびっちり閉じた状態で息を通すと、声帯同士がバチバチと互いに強く当たり、声帯を保護する膜が剥がれていき、剥がれた状態でさらに声帯同士をぶつけあうため、喉が痛くなってしまいます。

風邪をひいて咳やくしゃみ(くしゃみも声帯が強くぶつかり合ってしまうみたいです)を出し過ぎ、喉が痛くなったり、唾を飲み込むと痛みが出たり、声が嗄れたりというような現象があるかと思いますが、同じことかなと。

(以上は個人的な仮説ですが)

そのための④です。

ちなみにこの発声はボイスパーカッションの見地で言う『喉ベース』と同じかと思われます。


HIKAKINさんが挨拶で使用している声ですね。

なので、「咳声+声帯を開く」をやってもガラガラした声が出ない。

出せても喉が痛い。

という人は喉ベースの出し方を検索してみてください。

まとめ

  • 低音ピアニッシモハミング→エッジボイス
  • 咳+「ン」→がなり声
  • 咳+「ウ」+声帯開く→仮声帯声