桑田佳祐の発声
桑田佳祐の特徴
- しゃがれ声
- 英語っぽい日本語
- 謎のワンクッション
- 裏声入りと裏声終わりの多用
しゃがれ声
桑田さんと言えばしゃがれ声。
と言いたいところですが、個人的にはそんなにしゃがれていないように思います。
ただノイズが鳴りそうなギリギリの、ピリピリした響きになっている事が多い気がするので、基本的に仮声帯に少し力が入っている状態かと思われます。
仮声帯にうっすら力を入れておくと、高い音を出した際や声を張った際に、ノイズが鳴りやすくなります。
また、語尾に息や声が溢れている場合が多ので、声帯もそれなりに閉鎖させていると考えられます。
英語っぽい日本語
「日本語を英語っぽく歌った先駆者」と呼び声高いだけあって、特徴のある歌い方ですかね。
日本語は英語に比べて母音が強いと言われていますし、母音を強く発音することでいわゆるハキハキとした喋り方になります。
それを踏まえると、桑田さんはそんなにハキハキはしておらず、文字と文字の間がレガート気味になっているかと思います。
「母音を弱くしよう、文字間をレガートさせよう」と心掛けても中々難しいので、全体的に少しだけねっとりさせるイメージで歌ってみましょう。
あと、舌先の位置を普通より気持ち上に置くと、桑田さん風の発音がしやすくなります。
例えばサ行は子音の「s」を発音している際、舌先が前歯と上顎の間ぐらいに来るかと思いますが、そこから少し上げてギリギリ前歯に当たらないぐらいの位置にすると良いです。
「s」に限らず全ての子音において、「舌先を普通よりちょっと上に」という意識をなんとなく持っておくと良いかと思います。
謎のワンクッション
「謎の」ってちょっと不気味なフレーズですが…笑
何のことかと言うと、冒頭の「愛の歌が 謎途絶えるように」の「謎」部分です。
「途」のワンクッションとして小さく一瞬ですが、何かを発音していないでしょうか。
個人的には「ぅ」に聴こえますが「ぅ」だとすると、前後の「が」と「途」とは全く関係の無い音です。
例えば「ぁ」だとするならば、「『が』の母音を『途』まで引っ張ったのかな」と思えますし、唾液と呼気の破裂音のようなものならば、「『途』の子音『t』を前ノリで強めに発音したんだな」と考えることができます。
そしてこの謎のワンクッションですが、「途絶えるように」以外でも出てきます。
直後の「<心の灯り」や「さらば友よ 永遠に眠れ」、サビの「なみだ見せぬように」や「また逢うと約束したね」などなど。
どこでワンクッション入れるかはあまり共通性が見られないので、自分のさじ加減で入れましょう。
クッションの音は「ぅ」とか「ふ」で良いかと思います。
裏声入りと裏声終わりの多用
- Aメロ「青空はかなしい空」
- サビ前「過ぎて行ったよ」
- サビ「なみだ見せぬように」
- サビ「また逢うと約束したね」
- 2番Aメロ「何のためにおのれを断って」
などの、裏声から発声し始め瞬時に地声に切り替える音の入り方を、桑田さんはよく使っている気がします。
また、裏声入りの対として、語尾を裏声に切り替えて処理している場面を多く見受けられます。
- Aメロ「永遠に眠れ」
- Aメロ「夏が来るたび」
- サビ前「風が通り」
- サビ「涙見せぬように」
- 2番間奏前「闇に飛び交う」
などが該当する箇所です。
いわゆるヒーカップというやつですね。
多用と言うには大げさかもしれませんが、こうした細かい処理を入れていくと、桑田さんっぽさが出せるかと思います。
裏声入り、裏声終わりができないという場合は、ゆっくり歌って練習しましょう。
まとめ
- 声帯閉め気味&基本的に仮声帯に力を入れておく
- ハキハキ歌わない
- 前打音として「ぅ」や「ふ」をちょいちょい入れる
- 裏声入りと裏声終わりをそこそこ入れる