女王蜂 | Wikipedia


アヴちゃんの特徴

  • 男声と女声の応酬
  • ドラマティックな歌い方
  • 細かい音程は顎でつくる


男声と女声の応酬

男声のフレーズの中に突然女声が入ったり、女声が出たかと思えば急に男声が現れたりと、まるで男声と女声の応酬を受けている感覚になります。

とはいえ、どちらかがどのように出てくるかに関してはシンプルで、「基本男声、高音域で女声」という切り替え方および分布ですね。


男声に関しては少々鼻の奥、または軟口蓋当たりを目掛けて発声すると近しい声になりそうです。

逆にそれを意識せず口から真っすぐ声を出すと、アヴちゃんらしさはあまり出ないかと思います。

「鼻の奥とか軟口蓋を目掛けて発声するとか意味分からん」という場合は、若干閉鼻声しましょう。

また、どちらかと言えばほんの少しハイラリ寄りに聴こえるので、普段から下がり気味の方は喉仏を下げない意識を持ちましょう。

ただし、声帯の開閉具合や喉仏の位置などは、歌い方により副作用的に変化する場合がほとんどであり、基本的に意図的に操作したりキープしたりはしていなさそうです。

なので、声帯や喉仏の操作はコントロールする咆哮に意識を向けず、「この歌詞の部分、この音楽の部分はどのように歌うか」に意識を向けましょう。

次に女声ですが、男性の多くが女声を出そうとすると恐らくアヴちゃんのような女声になるかと思います。

具体的には、

  • 喉仏が上がった状態
  • 声帯は閉じ気味

意識的にせよ無意識的にせよ、以上の状態になっていることと思います。

ただし、声帯をガチガチに閉め過ぎると固さが出てしまい、女声というよりはアホアホっぽい声になるので、少しだけ声や息が通るスペースを声帯に確保しましょう。

女声を出そうにも朗々とした感じやオペラ声感が出てしまう場合は、ノイズが鳴らない程度に仮声帯を閉めるとよいです。

それと呼気をできるだけ抑えた方が、アヴちゃんのような鋭めな女声になります。


ドラマティックな歌い方

楽曲の性質によるところが大きいとは思いますが、かなりドラマティックな歌い方ですね。

か細く弱々しく歌ったかと思えば、力強く咆哮したり、部分的には諦めや達観を感じさせたりと、様々な表現が目まぐるしく変わる様子が見受けられます。

最初の項で少々説明しましたが、このように歌い方によるニュアンス付けが頻繁に変わるため、「この部分では声帯を開き、この部分では喉仏を上げて…」と考えて発声するのは非常に効率が悪いですし、アヴちゃんが歌ったとしても、テイクごとに表現の仕方やその表現を適用させる箇所も変わるかと思います。

このような歌および歌い方に関しては、頭で歌い方を制御するより、キャラクターや劇を演じるように歌う方がよいです。

この楽曲において主人公が誰なのか、この主人公は誰に対して歌っているのか、なぜ歌っているのかを考えると演じやすいかと思います。

プロでもない人間が人前でカラオケなりスナックなりライブハウスなりで歌う場合、演じるような歌い方は気恥ずかしさが生じることも分かりますが、かといってこのようなタイプの楽曲を淡々とクールに歌うと大変つまらないものに聴こえがちで、そんな退屈な曲を5分前後、他人に聴かせるのもそれはそれで恥をさらしているようなものです。

演じて歌うことで他人にとって印象的な歌に聴こえるかもしれませんし、恥ずかしければ大げさに歌いボケ感を出すことで笑いを取れるかもしれませんし、ヒトカラならば自分に酔いしれることができます。

なので何かを演じて歌いましょう。

みたいな抽象的で誰でも書けそうなことを書いてもしょうがないので、大まかな分類と分類ごとの発声を書きます。

低音域かつ苦しそうに歌う部分

曲で言うと冒頭から「はなから気付いて…」辺りまでです。

上記の範囲では、ほとんどの語尾にエッジが鳴っています。

このエッジは「エッジボイスを出そう」というよりは、声量ならびに呼気を落とすことで勝手にエッジが鳴る感じです。

また、フレーズの頭が母音のところ(つの日にか)でもエッジボイスを出しています。

これも「エッジボイスを出そう」という意識よりは、「しゃくろう、ねっとりと歌おう」という意識でよいと思います。

中音域かつ苦しそうに歌う部分

  • 「baby」から「燃やしちゃうぜ yeah」
  • 「やぁ!千代も八千代」辺り
  • 「火に注ぐ油!」から「Give me fire」の間

顕著な部分が上記の辺りです。

傾向として、アヴちゃんが眉間にしわを寄せ、眉が八の字になっている部分です。

この辺りでの歌い方およびフレーズでは部分的にエッジが鳴っています。

  • 「そんなにあくないよ」
  • 「でもきっとんなにわるくないよ」
  • 代も八代 変わりもせず
  • 「Sorry darling, hurry up ああまだ間に合う

などなど。

上記の部分にピンポイントにエッジを鳴らすのは難しいですし、それを狙う意味もあまり無いと個人的には思います。

この辺のフレーズでは全体を通して「エッジを鳴らしちゃえ」ぐらいの心持ちでよいのではないでしょうか。

低音域かつささやくように歌う部分

アヴちゃんは基本的に喉仏や声帯の開閉は意識していないように見受けられますが、

  • 「やぁ!千代も八千代の…」の前の「燃えろ燃えろよ 炎よ燃えろ」
  • 「しけたカルマ トラウマ」

辺りの低音域でのささやきでは、胸に響かせるような発声をしています。

具体的には喉仏を少し下げ、声帯を開き、呼気をちょっとだけ多めに吐くと、このようなささやきが演出できます。

ただし、同じささやきでも

  • 「ゆるやかに若さを溶かして」

この部分は、喉仏を下げずむしろ少し上げるとよいかと思います。


中音域かつ力強く歌う部分

一聴すれば分かると思いますが、「やあ!千代に八千代」以降の、たたみかけるフレーズでがなりまくっていますね。

  • 「ガリンとステロイド」
  • 「火そびはしない」
  • 「ぬいまね出来ない」
  • 「燃やし尽くすマグマ ドマ」

などなど。

そのほかの部分でも後半はちょいちょいがなっています。

がなり声の出し方は下記ページで説明しているので、がなり声が出せない場合は参照してください。

エッジ・がなり・仮声帯 - 発声の分析 | 発声の分析

細かい音程は顎でつくる

  • 「でもまだ消えてないからーあ⤴ぁ⤵ぁ⤵」
  • 「忘れてみたい」の前の「あ⤵ぁ⤵あ⤵ぁ⤵」
  • 「ああ ただBurn it あぁぁぁぁぁ」

辺りのフレーズを歌っているアヴちゃんの顔を見ると分かりますが、細かな音程のゆらぎが生じている部分で顎を動かしているように見えます。

いわゆるフェイクというやつですね。

ゆらぎを作る際はゆらぎの分だけ顎を動かし、顎でゆらぎを作るようにしましょう。

「顎の操作でゆらぎを作れない」という場合は、瞬間的なビブラートを組み合わせることでゆらぎを作れます。

また、女声での高音域のビブラート(ビブラートもゆらぎと言えそうですが)においても、顎をゆらしています。

高音域以外のビブラートは顎を動かしていないことから、アヴちゃんは高音域ビブラートに難しさを感じており、顎ゆらしビブラートはそれに対する対抗策かもしれません。

顎をゆらさなくてもビブラートをかけられるなら、無理に顎を使う必要は無いです。


まとめ

  • ほんのり鼻に声を流す意識を持つ
  • 声帯と喉仏は基本放置
  • 淡々とクールに歌わず、ミュージカルのように歌う
  • 音程のゆらぎの分だけを顎をゆらす