「めがね」の感想

 [ 06映画 ]

(07年9月鑑賞)KBCシネマ
「『かもめ食堂』ファンは必見。『淡々』とか『のんびり』とか、そんな映画が好きな人に向いています。人生ってもっとマイペースでいいんじゃない?。あるいは、そんなに物事に固執しなくてもいいじゃない?って言われてる気がしました。」監督:荻上直子。出演:小林聡美 、市川実日子 、加瀬亮 、光石研 、もたいまさこ 、橘ユキコ 、薬師丸ひろ子、ほか。

めがねサイト画像

わしは昨年『かもめ食堂』にハマりにハマって映画館に6回も観に行った人間です。
その「かもめ食堂」と同じスタッフ、キャストが再集結して作ったのが今回の「めがね」。
そりゃ期待するなって言うのが無理っな話しです。

もちろん公開初日に観に行きましたよ!

そしたら思いがけず「初日特典」って事でイッタラ(iittala)のアイノ・アアルトボウルをもらっちゃいました。
イッタラ画像
イッタラは「かもめ食堂」で大いに注目を集めたフィンランドの食器メーカーです。
早めに行ったつもりだったのに既に映画館前には列が出来ていました。
もしかしてこの特典のせい?(笑)。
この地味目の劇場にしては珍しい出来事です。
1000円デー以外ではまずお目に掛かれない光景(↓)。
長蛇の列画像
客層は幅広かったです。
年配のご夫婦から若いカップル。
ひとりの人にグループに・・・。
ただ、さすがに小さな子供さんはいませんでしたね(笑)。

席は満員にはなりませんでしたが8割方埋まりました。

さて、いよいよ上映開始です!

まず、ストーリーですが・・・。
ストーリーは・・・。

うーん。

あってないよーなものだな(爆)。

舞台は南の島のとある商売ッ気のない民宿。
登場人物はそこに集ったちょっと変わった人たち。
この映画はそんな彼らの春の日のひとときをなんとなく切り取っただけ、って感じの内容です(笑)。

だから(まさかいないとは思うけど)波乱万丈の冒険活劇とか、号泣必至の大感動物語とか、抱腹絶倒の大笑いコメディとか、そう言う体温の高い作品を期待して来た人にはたまらなく退屈で面白くない映画だと思います(笑)。

しかし、ほんわかとしたユーモアとのんびりした時間を味わいたい人にはこれほど適した作品はそうそうないです。
もう何より間が良いんだ。
相変わらず、食べ物がが美味しそうだし(笑)。
かき氷画像
底抜けに気持ちがゆったりする事ウケ合いです。
一方で今の自分をしっかり省みたくなるなど色々と訴えかけるものもちゃんとあるんですよねー。

うん。
わしはこの作品好きだ。


ところで、
先日「ヒロシマ ナガサキ」ってドキュメンタリー映画を観賞している時、途中居眠りしている人がいました。
静かな館内にこだまするイビキに殺意すら覚えました。
ドキュメンタリー映画って観なれていない人には退屈な事が多いのは分かります。
でも被曝者の方が忘れてしまいたい過去を未来に伝えるために意を決して語って下さっているのに居眠りなんて!
ぶん殴ってやろうか、と思いましたよ。

で、今回・・・

やはりどこかの席から大イビキではないんですけど「スースー」と寝息が聞こえてきました。
静かなシーンが多いから結構聞こえるんですよね。

でも、なんか許せました。

「寝てるんじゃねーよ!この罰当たりッ!!」
とカッカするほうが、むしろこの作品にはそぐわない気がして・・・(笑)。

宿の主人、ユージ(光石研)さんは自分が何かを勧めていても、こちらが「結構です」と断わるとそれ以上は何も言いません。
「いや、そんな事言わずに。絶対楽しいですから。一緒に楽しみましょうよ!。」
などとは絶対に押し付けないんです。
わしなら強引にそう言っちゃいそうな場面でもあっさりと「そうですか」で終ります。
もたいまさこさん演じるサクラさんもそう。
妙なる笑顔とともに「はい(わかりました)」とうなずいてそれで終了。

適当なのか?
いい加減なのか?
相手がどーしようと知ったこっちゃないの?
それって希薄な人間関係の象徴?

ある一場面の画像

いや。
彼らは何が自由か知ってる人なんですよ。
一見ほったらかしのようでも実はその人の事をとても尊重してるんです。
とてもとても大きな人間。
あまりにゆったりすぎてて時には浮世離れしているように見えるけど(笑)。

そんな登場人物たちを観てたら
「この作品に限っては居眠りも許す!」
と、そんな広い気持ちになったのでした。

劇場内スタンディ画像

大らかさは得てしてズボラとか愚鈍さと混同されます。
しかし、この作品を観たらそれは大きな間違いである事が分かります。
大らかさって実は人間の真の強さの象徴なんです。
包容力とか許す度量とか、そーゆーのに深く関わってる。

「たそがれる」って言葉にも普通はちょっと物悲しい終焉のイメージがあります。
でも、この映画に限っては違います。
人生に必要な間。
そんな感じ。

大らかな気持ちでたそがれる事を主人公タエコ(小林聡美)は最初
「ムリ」
と言います。
でも物語が進むにつれてちょっとづつ変わっていきます。

その過程が実に自然に描写されていて、荻上監督やるな!
と感心せずにはいられません。
ある意味抜群の洗脳力(笑)。

心地よい映画だー。


で、見終った後気付いたんです。
最初から最後まで終始顔がにんまりしっ放しだったことに。
幸せな時間の中に身を漂わせ、とても豊かな気持ちになりました。

もう一度観に行こうっと!


・・・ところでこう言う予想はどうですか??
サクラさんってフルネームが実は「佐倉マサコ」で。
介護が終り、ヘルシンキに行き、そこで「たそがれ」を会得し、後年ハマダに流れ着いた!(笑)。
もちろん春以外は「かもめ食堂」の店員やってるんですよ(^^)v


追記:

こーゆー感想も好きです。
http://blog.livedoor.jp/tsubuanco/archives/51063999.html


追々記:(07/9/25)

加瀬亮は今どきの若者……もたいと小林聡美、お手上げ?(シネマトゥデイ)
http://cinematoday.jp/page/N0011508
なんか映画そのまんまの現場だったのですね(笑)。


追々々記:(07/9/26)

そう言えば、一緒に観に行った友人の山羽さんが帰りしなに面白い事を言ってたのを思い出しました。
「めがねは『よつばと』に似ている。」
だって。
なるほどねー、と思いました。
「よつばと」はあずまきよひこさんの漫画でわしも大好きな作品です。
http://hassei.net/blog/2007/05/post_920.html

内容はただ単に小学校入学前の女の子の日常を淡々とつづったもの。
「めがね」と同じく周りにキャラの立った人物が多数配置されています。
そしてなにより余暇とゆーか休日の物語なんです。
束縛するものの何もない幼少時の楽しい思い出のような作品。
言ってしまえばユートピア。
理想郷。

「めがね」もモロそうですよね。
みんなどんな仕事をしてるのかも分からないし、お金も出てこない。
全てが小綺麗にまとまってて、切実な風景は何ひとつなし。
「めがね」の世界って実は生活感ゼロなんですよ。
だからのんびりするんです。
そこで「あまりに美し過ぎてピンと来ない。ぬるま湯映画だ。けしからん。」と言うのは野暮と言うものです。
そーゆー理想郷をのほほーんと描いた映画である事を理解した上でそこに身を投じる。
これがこの映画の正しい楽しみ方です。

うん。
山羽さん。
この作品は確かに「よつばと」に似てると思うよ。
さすが目の付け所が違うね!




珍しくパンフとサントラも買っちゃった。
パンフ画像 パンフ画像中身
なかなかしっかりした作りの充実のパンフでしたよ〜♪

■観終った後に食べたくなる物リスト■
・かき氷。
・BBQ。
・梅干し。
・ビール。
・伊勢エビ。
・その他出てくる食べ物のほとんど(笑)。
朝ご飯画像

そうそう。映画館には直筆サイン入りポスターもありました〜。

左からもたいさん、加瀬さん、小林さんのサイン。


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サントラです。大貫妙子さんの主題歌も入っています(^^)v

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投稿者: 日時: 2007年09月24日(月) 23:30

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