「キル・ビル Vol.1」の感想

(03年11月鑑賞)
クエンティン・タランティーノ監督の趣味丸出しの怪作です。チープなところ、怪しい日本語、すべて確信犯ですね。宣伝で「タランティーノが映画を殺す」なんて言ってて「おいおい映画を殺してどーすんの」と思いましたが観ると本当に・・・(笑)。個人的にはかなりウケました。そう、面白かったとか感動したとか言う言葉ではないですね。ウケました。コレです。

あらすじは・・・、うーん。あらすじ自体どこまで重要なのか分からない作品ではあるのですが(爆)一応言います。主人公はユマ・サーマン演じる女殺し屋。彼女はビルの牛耳る暗殺者集団「毒へび暗殺団」のメンバーだった。通称ブライド、暗号名はブラック・マンバ。(本名とおぼしきものを呼ばれているシーンは全てピー音で隠されていてわかりません・笑)彼女は組織から足を洗って結婚することになった。しかし式の当日に同僚の暗殺者たちに襲われる。九死に一生を得て命だけは助かったが長い間昏睡状態に陥る事になる。4年後、病院で奇跡的に意識を回復させた彼女は復讐のため自分を襲った暗殺者たちとボスのビルを殺す事を誓うのだった。そして戦いの日々は始まる・・・って、ところでしょうか。

刀を求めて沖縄に服部半蔵(千葉真一!)に会いにいったり、東京を舞台にヤクザのボスになっていた暗殺者のひとりと大立ち回りをやったり、かなーり荒唐無稽です。血がドバドバ出るし観る人によっては嫌悪感を抱くかもしれません。でもそう言う人は少ないと思います。なんと言っても出方が尋常じゃないし作品全体がファンタジーと言っても良いかんじだからです。だからこそ分別ある大人は楽しめるし、それが分からない人や虚構と現実の区別のはっきりしない方は観てはいけない映画とも言えるのです。ま、人を切ったら普通血が出るって事です。いくら切っても刀に血もつかない時代劇よりよほど健康的なんじゃないでしょうか。やり過ぎもここまでやると立派です。

それから過去の映画やドラマやその他もろもろのオマージュやパロディが満載です。それもかなりカルトなやつ。それらに詳しいとさらに一歩踏み込んだ見方が出来ます。あえて楽しめます、と書かないのは人それぞれだと思うからです。わしは楽しめましたが「その引用の仕方は何事だ!」と、怒る人もいるかな、と。それはそれで観客がひっかかりを持つのだから監督の思うツボかもしれません。それより心配になるのは何にも知らない人が単なる悪趣味な映画と解釈するかも知れない事です。絶賛する人とそうでない人が二極化してると言うウワサですが、それはそんなところからきてるのかもしれません。

あるシーンでアニメーションが使用されているのですがプロダクションI.G.の仕事です。日本の誇るアニメ会社の一つですがさすがに良い仕事をしています。マトリックスのウォッシャスキー兄弟もオタクで有名で日本のクリエーターと仕事をしていますがタランティーノも負けてませんねえ。I.G.との打ち合わせで「ゴケミドロのようなシーン」と言うセリフが出たとか出ないとか。日本人だって吸血鬼ゴケミドロを知ってる人はそうそういませんよ。

音楽はもう、まったくのツボでした。エンドロールで流れるのが「恨み節」ですよ。梶芽衣子の。監督は女囚さそりシリーズや修羅雪姫(最近の釈さんのじゃなく昔のです)とかのファンなんですと。ジャパニーズバイオレンスの名作ですがそんなものまで観てるとは・・・。そう言えば仇の殺し屋のひとりの名前がオーレン・石井(ルーシー・リュー)でした。影の軍団にオーレン(志穂美悦子)ってのがいましたがそこからとったのかもしれんですね。
60年代70年代のジャパニーズバイオレンスの音楽には優れた物が多いです。10年くらい前に巻上公一さんが「殺しのブルース」なんかをカバーしたアルバムを出したりしてましたが良かったですよねえ。タイトル忘れましたがそのころの曲を集めたオムニバスアルバムがウチにあったはずなので久しぶりに探し出して聴きたくなりました。夜中ひとりで聞いたりしたら恐ろしくなるなるよーな内容です(笑)。見つけ出してタイトルが分かったらまたお知らせしますね〜。そーゆー訳でちょっと変わった音楽の好きな方には必見の映画と言えると思います。
タイトルにVol.1とあるように2が来年の春に公開されます。なんでも長くなったから二つに分けたとか。今回いいところで終わってます。どおりで宣伝で流れていた映像(ふわっと飛び上がって刀の上に立つシーンとか)が無かったと思いました。次回楽しみです。
それにしても今回は洋画ばっかりでアニメも邦画も観なかったのにこの一本のお陰でかなりバラエティに富んだ印象に(笑)

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丼〜DON〜 発生どっとねっと
投稿者: 日時: 2004年02月01日(日) 23:58

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